2026.07.21
言語聴覚士は全国に4万人以上。それでも「STがどこにいるか知らない」のはなぜ?
言語聴覚士(ST)はどこにいるの?
「言語聴覚士(ST)って、どこにいるんですか?」
これは、私たちが日々の仕事の中で耳にすることのある質問の一つです。
理学療法士(PT)や作業療法士(OT)は、病院や介護施設などで見かける機会も多いかもしれません。一方で、「言語聴覚士」という名前を聞いたことはあっても、実際にどこで働いているのか、どんな場面で相談できるのかをご存じの方は、まだまだ少ないのではないでしょうか。
実は、言語聴覚士は全国に4万人を超える有資格者がいます。1999年に国家資格としての第1回国家試験が行われて以来、少しずつ人数が増えてきました。
それでは、4万人を超える言語聴覚士は、一体どこで働いているのでしょうか?
言語聴覚士が多く働いている場所は「病院」
言語聴覚士の勤務先として、まず思い浮かぶのが病院ではないでしょうか。
実際、日本言語聴覚士協会の会員動向を見ると、有職者の勤務先として最も多いのは「医療」で、60.70%を占めています。医療と介護の両方に関わる職場も含めると、病院などの医療現場で言語聴覚士が活躍していることがわかります。(詳しくは日本言語聴覚士協会のHPを参照ください。)
病院では、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって生じる失語症や構音障害、高次脳機能障害、嚥下障害などに対してリハビリテーションを行います。
また、小児の療育施設などで、ことばの発達やコミュニケーション、発音などを支援する言語聴覚士もいます。
このように、言語聴覚士は「病院だけ」にいる専門職ではありません。
でも、地域で言語聴覚士に出会う機会はまだ多くありません
言語聴覚士の資格を持つ人は4万人を超えていますが、実際に働いている場所を見てみると、医療分野で働く人が多く、介護や福祉の現場で働く人は医療と比べると少ない状況です。日本言語聴覚士協会の会員データでは、勤務先が「介護」は6.56%、「福祉」は5.26%となっています。
そのため、
「失語症の家族がいるけれど、どこに相談したらいいかわからない」
「退院してからも言葉のリハビリを続けたい」
「子どもの発音やことばの発達について相談したい」
「近くに言語聴覚士がいる施設を知らない」
このように感じている方も少なくありません。
言語聴覚士は全国に4万人以上いる。
それなのに、「身近なところに言語聴覚士がいる」と感じられる人は、まだまだ少ない。
ここには、言語聴覚士という専門職をもっと地域に知ってもらう必要性があるのではないかと、私たちは考えています。
「ことばの道」は、地域の身近な場所にSTがいることを目指して
神戸市須磨区高倉台にある「ことばの道」では、言語聴覚士が、お子さまから高齢者まで幅広い年代の方の「ことば」と「コミュニケーション」に関わっています。
児童発達支援や放課後等デイサービスでは、ことばの発達や発音、コミュニケーションなど、お子さま一人ひとりの成長に合わせた支援を。
高齢者のデイサービスでは、失語症や高次脳機能障害などに対する言語リハビリを、個別訓練だけでなく、仲間と一緒に取り組む集団言語リハビリという形でも行っています。
言語聴覚士の役割は、単に「話せるようにする」ことだけではありません。
「自分の気持ちを伝えたい」
「家族ともっと話したい」
「友達と一緒に楽しみたい」
「学校や社会の中で、自分らしく過ごしたい」
そんな一人ひとりの思いに寄り添い、その人らしいコミュニケーションを一緒に考えることも、言語聴覚士の大切な仕事です。
「こんなことでも相談していいの?」から始めてみませんか?
言葉やコミュニケーションの悩みは、目に見えにくいからこそ、誰にも相談できずに一人で抱えてしまうことがあります。
「言葉が少し遅い気がする」
「発音が気になる」
「最近、話しにくくなった」
「言いたいことがうまく伝わらない」
そんな小さな気づきが、相談のきっかけになることもあります。
言語聴覚士は、病院の中だけにいる専門職ではありません。
地域の中で、もっと身近に。
必要なときに「ちょっと相談してみよう」と思っていただける存在になること。
それが、私たち「ことばの道」が目指していることの一つです。
神戸市須磨区高倉台で、言葉やコミュニケーションについて気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
【言語聴覚士:安居和輝】

